その日綴り

私の備忘録

「劇場版きのう何食べた?」とマンガ飯について

11月3日に公開になった「劇場版きのう何食べた?」を公開日当日に観てきました。


2019年4月6日から放送していたドラマ版も夫と二人夕飯を食べながら観ていたし、私に至っては原作全巻読破済み。


夫にお願いして江別のイオンシネマに連れて行ってもらいポップコーンやナチョスを貪り食いながら目玉ガンギマリで観ました。


ちなみにナチョスが想像以上においしくてカルディで買ってきてしまったので今後の家での映画鑑賞のお供として活躍していただきたい。


BLという文化(きのう何食べた?はBLに分類していいか微妙なところだがあえてBLと言っておきます)に馴染みのない車オタクの夫も「きのう何食べた?」のドラマを観ながら「面白いねぇ」と言っていただけはあって客入りは上場。


もちろん女性が過半数なのだが男性も年齢層問わずちらほら。ちなみに女性客の年齢層もほんとうに満遍なくという感じでした。
オタク層だけでは放てない暖かい何かを感じる。


あらすじ
雇われ弁護士の筧史朗(シロさん)とその恋人で美容師の矢吹賢二(ケンジ)にとって、2人でとる夕食の時間が日々の大切なひとときとなっている。
ある日、史朗の提案で、賢二の誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに。
賢二は京都を満喫していたが、道中に史朗からショックな話を切り出されてしまう。
この京都旅行をきっかけに、2人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい……。
(映画.comから引用)

 

というお話を中心にドラマ版と同じ優しい雰囲気の中、シロさんとケンジの生活が送られていきます。
さすが評判のいいドラマ版と同じ監督なだけあってドラマを観た人も原作派も裏切らない良さがぎゅっとあります。

 

最初はネタバレてんこ盛りで書こうかと思ったが、未来の視聴者がここから排出されることを期待して感情だけ書きなぐっておきましょう。

 

内野聖陽演じる矢吹賢二(ケンジ)は職業美容師でちょっと、いやだいぶ乙女なゲイ。センチで嫉妬深さも乙女そのもの。
だけど見た目はひげ面でヒョウ柄のコートを羽織っていたりする。
イケイケ陽キャ乙女なケンジは周りに自分がゲイだと公表しており、本当はシロさんともっと恋人らしいことをあっけらかんとしたいのだけどシロさんからNGを出されがち。口調もしぐさも乙女でなんだか観ていると妙にかわいく見えてくる。
お金にだらしないのがたまに…いやシロさん的にはだいぶ傷。

 

西島秀俊演じる筧史朗(シロさん)は弁護士の先生。周りには隠しているゲイ。
親にはバレてしまいそのせいで母親が変な宗教などにはまったりとあらぬ方向に動いているのをげっそりしている。
見た目が一般市民とは思えぬハンサムさだが、ゲイ受けはしない。
定時きっかりに帰り、安売りスーパーに駆け込み献立を練りつつ料理をするのが生きがいの節約男。
デリカシーのなさで時折ケンジの地雷を踏みぬく。

 

こんな二人がゲイであることによる世間とのズレだったり、お互いの家族仕事将来のことだったり、誰にでもある小さないざこざだったりに悩みながら友人や同僚、ゲイ仲間と楽しく暮らしていくというお話。

 

簡単に言うと推しを見守る壁になれる映画でした。
ケンジの乙女でシロさんを純粋に好きって気持ちは可愛いし、シロさんのツンデレだけどちゃんとケンジが好きだというのが漏れ出ているところとか尊いし……ありがとうございます。
コメディタッチに描かれる中でもきちんと考えなきゃいけないところは2人の生活を通してみることができます。
みんなよくて、みんな大変。だから助け合って笑いあって泣きあって。
それでいいじゃないってそんな心地のする映画でした。
どうかみんなに観てほしい。

 

ということでここからが本題。

料理漫画で一番の見せ場の料理シーン。パッと見ると簡単でおいしそうだけど、これって本当においしいのか。
マンガ飯って本当においしいの!?
こちらを今回は検証するべく「魚料理」「肉料理」「スイーツ」を原作やドラマ、劇場版からそれぞれ厳選して実際に作ってみました。

 

「りんごのキャラメル煮」

きのう何食べた?4巻#30

弁護士事務所の上司からリンゴを1ダースもらったシロさんがおいしく長く食べるために作った一品。

①リンゴ4個に対して砂糖は大体150g。リンゴは皮をむかずに芯をとって薄いくし形に切っておく。(私は8等分しました)

②大きい鍋に砂糖を入れて中火でキャラメル色になるまで焦がす。水は必要ない。

③かなりこげ茶に焦げてくるまで辛抱してリンゴを入れる(ここでキャラメルがはねるので気を付けて。手につくと高温なので水膨れのやけどになります)。

④木べらで返しながらリンゴ自身の水分で炒め煮をする。

⑤弱火にして時々ふたを開けてリンゴを返しながらじっくり火を入れてくったりと全体がキャラメル色に煮詰まったら完成。

思ったより時間がかかるので時間があるときに調理することをお勧めします。

かなりリンゴから水分が出て一気に煮詰まっていくのでこまめにリンゴを返してあげてください。キャラメル煮という名前だけ見ると甘ったるく感じそうですが、実際はかなり焦がしているのでキャラメルよりプリンのカラメルみたいな苦さがあります。

ほろ苦さとリンゴの甘酸っぱさがちょうどいい。バターを塗ったトーストに乗せて食べていたシロさん。そこにさらにバニラアイスとシナモンをかけて食べていたケンジ。どっちもおいしい食べ方です。

調理中、鍋と木べらにキャラメルが付きましが熱するとリンゴの水分で上手く溶けてくれるので大丈夫です。バニラアイスと相性抜群。安いリンゴで作っても美味しいので是非お手軽に。

 

「サバの味噌煮」

きのう何食べた?6巻#48収録

節約友達の佳代子さんにシロさんが教えてもらった簡単な鯖の味噌煮。

非常に簡単でシロさんも調理中に不安を覚えるほど。作ってみましょう。

我が家では1匹を2枚おろしにした大き目の鯖(583円)を使ったのでレシピよりも多めの分量で作りました。ここではレシピ道理の分量を記載します。

①小さめのフッ素樹脂加工のフライパンに水1/2カップ、酒大さじ2、しょうゆ大さじ1/2、砂糖大さじ1(我が家では上白糖ではなく甜菜糖を使用しました)、みりん大さじ2、みそ大さじ1と1/2、しょうがの薄切り1/2かけを入れて火にかける。

②鯖をちょうどいい大きさに切る。

③そうしたら沸いた煮汁にさばをそのまま入れてしまう。

④落し蓋をし火を中弱火にして10~15分煮る。

⑤魚に火が通っても汁がシャバシャバしてる場合は魚を皿にとって汁だけ煮詰める。

と…簡単すぎませんか?

鯖の塩をして水分を抜くのも皮目に切り込みをいれるのも熱湯をかけて霜降りするのも省略…味噌を後入れしないので沸いた煮汁の時点で味見もできる…。ポイントはフッ素樹脂加工のフライパンとその日に買った鯖をその日に調理することだけ…。

今まで私がしていた下処理たちは一体…。

作る時間も手軽さも最高に早くて簡単。問題は味。

作った直後は味が染みてなかったのかちょっと「ん?」と思いましたが、しばらく煮汁につけておくと味が染みっておいしい鯖みそになりました。

下準備って関係なかったのかしら…と切なさを覚えつつも鯖味噌のハードルが下がったので気軽に鯖味噌を作れる心持ちのほうが喜ばしい。

これからはこっちのやり方で気軽に鯖の味噌煮を作っていこうと思います。

 

「麻婆もやし」

きのう何食べた?8巻#64

麻婆豆腐を作ろうと思ったシロさんが冷蔵庫に忘れていたもやしを思い出し、急遽もやしを使うことにしたアレンジ料理。

もやしって案外賞味期限が速いので安いからとホイホイ買って「あ!今日までじゃん!」なんてこともよくあります。私だけでしょうか。

①にんにく1/2かけ、しょうが1/2かけ、長ネギ5cmをみじん切りにして片栗粉小さじ2に倍量の水を入れて水溶き片栗粉を作っておく。

②みじん切りにした香味野菜と豆板醤小さじ1をサラダ油で香りが出るまで軽く炒めたら豚ひき肉100gを入れて肉がボロボロになるまで炒める。

③ここに水50cc、鶏がらスープの素小さじ1、砂糖小さじ2、しょうゆ適量、オイスターソース適量、コショウ少々で味をつける。

④1で作った水溶き片栗粉を混ぜなおしてから注ぎいれしばらく加熱する。

⑤しっかりとろみがついてところで洗ったもやし1袋をドバっと入れてさっと炒めたら完成。

もやしを後入れしてるのでシャキシャキ触感が嬉しい逸品です。

しかも簡単でもやしが余った時にピッタリ。

辛みは割としっかりあるのでお子様や辛みが苦手な方は豆板醤の代わりにコチュジャンでもおいしくできます。ひき肉の代わりに豚小間でもおいしくできるので本当に冷蔵庫の余りでもう一品って時に助かります。

ご飯によそえば麻婆丼にもなるのでありがたいレシピです。

 

今回は3品を作りましたがそれぞれおいしかったです。

マンガ飯って難しい材料調味料を使ってたり手間がかかったり美味しくなかったり(マヨネーズかけまくっている例のあれとか)と日常には登場できない料理もあったりしますが、「きのう何食べた?」のレシピはどれを作っても美味しいし、ほとんどのレシピは安価で手軽なものが多いです。

日常のレパートリーに取り入れやすいので気になった方は原作・ドラマ・劇場版を手に取ってみてください。

おススメします。