その日綴り

私の備忘録

ペンライトを輝かせてたら絡まれた話

にじみ出る雰囲気と性格が一致しない私です。

三者から見て私は優しくてフワフワしてて甘いものと可愛いものが好きそうな女性らしいです。

ですが実際は違います。

気は強いし短気だし人を言い負かすことに長けていて人嫌いで甘いものもあまり食べません。

ですがそんな中身は外から見えるわけもなく、街を歩いていると色々な人から声をかけられます。

世間話を急に振ってくるご婦人、道に迷った方、宗教をオススメしてくるおばさま方、謎の外国人、話し方が馴れ馴れしい男性、怒鳴り散らしてくるおじ様………。

こういう方々のほとんどは「自分よりこいつのほうが下」と認識した場合に話しかけてくるというのを聞きましたが本当でしょうか。これが本当なら私はめちゃくちゃ舐められているということになります。いい度胸です

基本的にはズバッと断る(道に迷っている方など困っている方はもちろん助けますよ)のでその場でスッと終わるのですが、時にはめげない方もいたり自分の思い通りにならなかったことにブチギレる方もいます。

ブチ切れられてもスンとしているので大体怒ったままその人は去っていくので良いのですが、めげない人の方は本当にしつこい

宗教勧誘の女性に「あなた、今悩んでいることはありますか?」と問いかけられて「は?」と思わず返したら何故か「あら~いまどきの若い方はその…耳の奴?イヤホンって言うのかしら?みなさんつけてますよね~」と何かを察したのか世間話に移行してきました。

私が何言ってんだ?と固まっているとまたもや「何か悩みはあります?私ね、いまこういうセミナーをお勧めしてて…」と話しを戻し始める始末。断られ慣れているんだなと察しつつ「今の悩みはバス時間が近いのにあなたに話しかけられていることです」とピッシャリ言い放ったら「あぁ…ごめんなさいね…」と引いていきました。

この程度ならまだいいのですが、何度断ってもめげない人もいるもので…本当に困った話です。

 

ペンライトに必死な私

私は猛烈に焦っていました。

その日は友人とライブがあり、早めに行こうと電車に乗ったとき気づいたのです。

ペンライトの電池がない…!!!

しかも私の24色に輝くペンライト(計4本)は色がありすぎるため色登録機能があり、いつもそれをライブ前に設定して即座に推しの色を発光させられるようにしていたのですが電池を交換するとリセットされる仕組みでした。

まさかライブ中に24色の中から推しの1色を探してボタンを連打しまくる(計4本)わけにもいかず…。

つまり私は友人との待ち合わせの駅に付いたら

ダッシュで電池を買いに電気屋に走る(特殊なボタン電池だったためコンビニにはない)→どこか人の邪魔にならない場所のベンチを見つける→電池を交換する→色登録機能を使ってライブ中に使う色を複数色登録する(計4本分)

というのを友人がくるまでにやり遂げなければなりませんでした。

とにかく時間がないので駅に着いた瞬間電機屋ダッシュ

ボタン電池を購入し駅の地下に移動。片隅の誰もいない空間のベンチを確保しひたすら電池を交換し次第ペンライトのスイッチを連打して色を設定していきます。

友人へ「いま地下のベンチでペンライト設定してるから、ついたらLINEして」と送り「草www」と返ってきたのを確認。

地下の片隅のベンチでペンライトをぼんやり輝かせる私は怖かったのか時折通る通行人の人が二度見をしていきますが、そんなの構っている暇はありません。

まぁそもそも地下のベンチでペンライトを輝かせながら必死の形相で連打している女性に話しかける人はいないと思うのですが…。

なんと話しかけられたのです。

 

謎の外国人集団

「すいません」と男性に肩をたたかれ顔を上げると5~6人の男女の集団に囲まれていました。見た目はアジア系の顔つきですが言葉はカタコトで明らかに外国の方でした。

???????????

私は一体何をやらかしたんだろうか「怪しい女がいる」とでも通報でもされたんだろうか、でも外国の方が私に何の用だろうかと不安になりつつ「はい?」と間抜けな返事をしました。

「実は僕たち、大学生でして、日本語を勉強しているんです」

???????????なんのこっちゃ????????

返事をして話を聞いたはずなのにちっともわからない。

キョトンとした顔の私にめげず男性は言葉を続けます。

「それで、日本人の方に日本語を聞いてほしくて。僕たちのスピーチを聞いてくれませんか?

な ん で そ れ を 私 に 頼 ん で き た の ?

明らかに地下の人気のないところでペンライトを必死に輝かせて忙しなく動いている私は話しかけてはいけない変人の枠にぴったり収まっているはずなのに何故他の善良な通行人たちをスル―して私のところにやってきたのか。

本当は時間があれば困っている人を助けたいのですが、今は時間もなけりゃあむしろ私が困っていて助けてほしい。人を助けている余裕はありません。

しかも大学の課題らしきスピーチなんてそれなりの密度だろうし評価をしてくださいとか言われたらさらに時間がかかってしまうでしょう。友達が着次第、ライブにも向かわねばいけないし、申し訳ない気持ちを胸にここはしっかり断ります

「すいませんが私、人を待っていて…もうすぐ来るので時間がないんです。聞けません。」

「聞いてください。5分だけでいいですから。始めていいですか?

よくないのよ。

何にもよくないのよ。

始めちゃ駄目なのよ。

もう何始めちゃえば行けるだろうみたいな勢い見出しちゃってるの。

「いや、無理です。人を待っているし、その後すぐに用事があるんです。待っている人ももうすぐ来るので聞いている時間はありません。すみません。」

「5分だけでいいですから」

絶対に5分だけで済まない。だって5~6人で繰り広げられるスピーチがそんなに短いわけないもの。

といいますか見るからに余裕ない私に迫れる彼もすごい。周りの仲間もざわざわしつつ私への包囲は緩めないしこれだけ理由を明確に断っているのに…。

その押しの強さがあれば他の人に迫ればいけるよ…と心で唱えつつ、これだけしつこいと最初に感じていた申し訳なさも消えてしまいます。

ペンライトは未だに手元で赤に光り続けているし早く立ち去ってほしい。

「どうしてもだめですか」

「ええ、駄目です」

「5分だけでいいんです」

「ダメです」

「…そうですか」

「はい」

もうここまでしつこいと絡まれてる気がしてくる。というかこの交渉のせいでとっくに5分何て過ぎ去っているし、私の友達も着ちゃうし、ペンライトの色設定もあと2本分残っている…。

「わかりました。ありがとございました。」

「…はい」

やっとわかってくれたのかと立ち去る集団を見つつ作業を再開。

近くのベンチに座っていたサラリーマンにその大学生たちはターゲットを変えたようでサラリーマンをビクリと驚かせた後、そのサラリーマンにも迫っていました。

友達から「ついた。どこ?」とLINEがきたのはその直後で私は2本分のペンライト設定が終わらぬままライブに走ることになったのでした。。。

 

しつこい勧誘・お願い・話しかけ等はやめましょうね…。